理化学研究所(和光)一般公開@2026

そうだ、理研に行こう!
ということで、行ってきました。

理化学研究所(理研)というと、渋沢栄一(1万円の人)が設立した研究所で、和光を中心に、全国に拠点を設けて、最先端の研究を行っています。
これまで、ビタミンAの抽出(鈴木梅太郎、高橋克己)、中間子論(湯川秀樹のノーベル物理学賞)、くりこみ理論(朝永振一郎のノーベル物理学賞)、新元素「ニホニウム」の発見(森田浩介)、スーパーコンピューター富岳による研究等を行ってきました。
今回は11月3日、和光の一般公開に参加してきました。
れっつちぇけらうと!

理研の見学は事前申込制です。まず受付をします。

最初に入ったのは、宇宙開発系でした。これは全天X線監視装置MAXIという装置(模型)でISSに取り付けて、宇宙から飛んでくるX線を観測している機械です。

ここではパネルしかありませんでしたがナノカーボン関係の研究をしていました。フラーレンというとC60で、確か私が大学受験の時、問題集に出ていたのを覚えています。カーボンナノチューブなどを研究すると宇宙エレベーターが実現できるかも、ということです。

量子コンピューターの一部らしいです。正直量子コンピューターの原理は何回聞いても理解できません。

仁科加速器科学研究センター(RIBF)の超伝導リングサイクロトロン(SRC)です。スプリングエイトやKEKのフォトンファクトリーとよく似ています。ただ、研究員の説明だと、「ここではウランなどの質量が重いものを扱っている。スプリングエイトとかは電子という軽いものを扱っている。あんな軽いやつらとはわけが違う」と言っていました(たしか)。

機器には名称があり、この辺りは大江戸(OEDO)です。その先は写楽(SHARAQ)です。パーツにそのような名称がつけられていました。
この辺りの機械で、原子番号0の四重中性子を作ったと自慢していました。あと量子力学的な分野にもつながる研究をしていました(研究員曰く「ほんとはそこに特化しているわけではないのですが、そのように説明すると研究費を得やすいのでその様にアピールしています。がっはっはっは」ということでした。)。

稀少アイソトープリング(Rare-RI Ring)です。
物の重さをはかる時、普通は天秤等を使用しますが(VIVANTの主人公乃木憂助は手でも測れます)、ここではその物質を加速器でぶっ飛ばし、それが定められた距離をどれぐらいの時間で飛ぶかで質量を測るとのことです。各機械の調整が結構大変じゃないかなって思ったのですが、有効数を考えると無問題らしいです。ふーん。

パネルしかなかったのですが、不安定核(短寿命の原子核)を研究している施設です。
セシウム137、キセノン132などを研究対象にしています。
プラスの電荷を帯びている物質にマイナスイオンをぶつけるだけだ。狙わなくても当たるから楽ちんだよ、って研究者が言っていました。
ほんとはこの機械を見たかったのですが、今回は公開対象じゃないらしいです。_| ̄|○

SAMURAI(多粒子測定用大型超伝導スペクトロメータ)です。
原子核を高速で青いやつ(超伝導コイルです。絶対零度に冷やされています。)に突入させ、別の原子核にぶつけ、中性子はそのまままっすぐ、壊れた原子核は曲がって出てきます。なので、二か所にセンサーが設置されています。
センサーは何か高い機械かなって思ったのですが、単なるプラスティックらしいです。
あと、この辺りの研究は天文学の中性子星に関わってくるとのことです。

K中間子を観測するためのセンサー部分です。この辺りになると量子力学の話に近づいてきます。見えづらいですが、この中心部分に太い管がありますが、その周りにも極細の線が大量にあります。そしてこの空間部分にガスを充満させます。すると中心部分から飛び出てくるK中間子を観測できます。
ただ、人生を通じてK中間子を観測したいと思ったことは一度もないのですが。

別に意味はありませんが、とりあえずキムワイプです。これがあるだけで研究所っぽいです。

アメリカにある加速器での共同実験sPHENIXです。強い相互作用関係の研究らしいです。「加速器を日本で作れば?」って話をしたら、「そういう話もあったけど、予算がおりませんでした」って言ってました。

ここは少し話が異なり、ショウジョウバエの脳の研究をしていました。ホタルイカの発光物質を脳に注入したり、そもそも遺伝子を調整したりして、ハエの脳を光るようにさせます。するとハエが餌の臭い、毒の臭いを感じた時の脳の神経の動きを分析していました。遺伝子を調整するとハエの脳の動きを制御できるとのことです。時計仕掛けのオレンジを思い浮かべました。

スーパーコンピューター北斎です。この列が5,6列ぐらいありました。水冷と空冷を組み合わせているとのことです。結構小さいなって思いました。

超小型非破壊検査装置「中性子塩分計RANS-μ」です。これは橋のコンクリートなどを検査するためのものです。ただ、このサイズだと持ち運べませんよね?

なんと持ち運び可能機器と車両型らしいです。まじか。

さて、これでぐるっと全般を見たことになります。
全体感想としては、やっぱり大きな機械があると見学してやったぜ感があります。原子関係はわかりやすいですよね。子供も興味津々でした。
ただ、個人的には有機化学系、生化学系のマッドサイエンティスト的な研究をもう少し見たかったかな。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)一般公開@2026年

KEKには10年ぐらい行っていないので、今回はKEK・高エネルギー加速器研究機構に行きます。
去年はJAXAの公開に参加しましたが、KEKも非常に興味深い施設です。
KEKでは要するに素粒子を研究しています。素粒子というのは物体の最も小さい粒です。
小学校のころ物体の最小単位は「原子」と教わりましたが、中学校に入ると「原子核(陽子、中性子)と電子」と教わります。
しかし、高校に入ると「素粒子」と学びます。

代表的素粒子はクオーク(アップ、ダウン、トップ、ボトム、チャーム、ストレンジ)、レプトン(電子、ミュー、タウ/ニュートリノ)です。それ以外にボース粒子があります。星の光はボソンの輝きです。
そんな微小な世界は日常生活でほとんど意識しません。しかし、それが宇宙のブラックホールやダークマターに関係するとされています。

それらを研究しようという施設です。ノーベル賞を取った小林先生・益川先生の共同研究を証明したことでも有名です。

後で出てくるBelle IIの図です。床に描かれていました。

電子陽電子入射器です。電子等をぶつけるのですが、そのスタート地点がここです。

フォトンファクトリーです。KEKはどちらかと言えば素粒子、クォークなどを研究していますが、ここは原子・分子等を研究しています。関西のスプリング8的な施設です。比較的産業と関係が近い分野です。
電子等の加速器と構造がよく似ているので、設置されているとのことです。

SuperKEKB加速器です。先程の電子陽電子入射器から入射された電子等は直径1キロぐらいのですが、どこかわかるように矢印で示してくれています。また、移動用に自転車が用意されていました。

加速器です。円周状に曲がっているのがわかりますか。ここを電子等がぐるぐる回ります。そして光速の99.99%ぐらいまで加速します。

Belle IIです。電子等をぶつけるのですがぶつけた際に飛び散る破片を観測する観測器です。ちょっとわかりづらいですが、機械に覆われている青い部分が観測器です。一番迫力があるところですが、みえないから!

宇宙線飛跡観察器です。ちょっと写真では見づらいですが、宇宙から降り注ぐ宇宙線(ミュー粒子)を観測するための装置です。ウィルソンの霧箱でも見ることができます(以前、別の大学でみました。)

超電導リニアック試験施設です。次世代の加速器は超電導を使用する様で、その実験を行って今う。この金属(ニオブ、レアメタルの一種です)の中を電子等が通過します。
加速器はジュネーブにもありますが(シュタインズゲートで有名なCREN)、次世代加速器として、日本の北上付近に国際リニアコライダーを作るプランがあります。そこではこの超電導加速器が用いらるでしょう。

いたるところに先生がいて、気兼ねなく質問できました。
「JAXAに負けたくないからKEKをPRしてください!」って言っていました。対抗意識があるようです。やっぱりロケットが宇宙に飛ぶというのはわかりやすいのに対して、加速器で素粒子の新たな性質が判明したというのは目に見えないのでわかりづらいです。
あと、職員が「超KEK」のシャツを着ていました。ニコニコ超会議でも着用したものらしいです。

9月下旬にスーパーカミオカンデの一般公開もあるのですが、こちらは抽選制です。私は丸っと落選しました。_| ̄|〇